わずか1畳から置ける完全個室――子育て世代の外出を支えるベビーケアルーム「mamaro」
公開日
- ヒアリング先
- Trim株式会社セールスチーム 石川 直也 氏
mamaro(ママロ)は、畳1畳ほどのスペースに工事不要で設置できる、鍵のかかる完全個室型のベビーケアルームです。授乳・おむつ替え・離乳食・寝かしつけなど、赤ちゃんのケアをひとつの個室で完結でき、「よりよい子育て環境を提供する」を掲げるTrim株式会社が開発・提供しています。
1.mamaroシリーズのコンセプトと、解決する社会課題
Trim株式会社はもともと、授乳室やおむつ替えの場所を検索できる地図アプリから創業した会社です。その事業のなかで見えてきた「授乳室が足りない」という課題に応えるかたちで生まれたのが、mamaro でした。
同社によれば、赤ちゃん100人あたりの授乳室数はおよそ3部屋程度にとどまるとされ、多くの保護者が外出先での授乳・ケアの場所に悩みを抱えてきました。一方で施設側にも、「多目的トイレがあれば足りるのではないか」「授乳室は集客につながらないのではないか」といった見方があり、授乳環境の整備が進みにくい状況が続いてきたといいます。清潔な場所で授乳したいのに多目的トイレを案内されてしまう、設備が建物の端にあって子どもが泣いたときに大変、といった声は、その象徴といえます。
mamaro は、こうした「スペース」「プライバシー」「快適性」の課題を同時に解こうとする製品です。シリーズには、屋内向けの標準モデル「mamaro」、屋外用の「mamaro solana」、授乳ソファ・おむつ替え台・体重計を一体化した「mamaro sofa」、ベビールーム全体をデザインする「mamaro spot」があり、施設の用途やスペースに応じて選べる構成になっています。
2.mamaroの概要および機能
標準モデルの mamaro は、ボックス型のユニットで、畳1畳ほどのスペースと一般的な100Vコンセントがあれば設置できます。下部にキャスターが付いており、トラックから降ろしてそのまま転がして設置できるため、工事は不要です。本体サイズは幅約1,805×奥行912×高さ2,006mm。消防のガイドラインに配慮し、天井は開口率70%以上を確保しています。
(設置の様子)
最大の特徴は、内側から施錠できる完全個室である点です。パーテーションやカーテンで仕切るだけの授乳スペースがまだ多いなかで、鍵がかけられる安心感は、利用者アンケートでも特に好評を得ている点とされています。内側には覗き見を防ぐ「内伴(うちのれん)」も付いています。
室内には、背もたれを倒すとおむつ交換台になる授乳ソファ「mamaro sofa」が備わり、おむつ替えのたびに赤ちゃんの体重を測れる機能も搭載しています。あわせて、使い方や育児情報を表示するモニター「mamaro view」、さく乳器などに使えるコンセント、利用状況がひと目で分かる大型サイン(ミルクサイン)、送風機などを備えています。
(mamaro view)
(ミルクサイン)
ソフト面では、IoTデバイスを標準搭載し、利用者数や平均滞在時間といったデータを専用システム「mamaro manager」で確認できます。また、20分の利用で退室を促す画面に切り替わり、合計30分を超えて使用が続くと、あらかじめ登録したメールアドレスにアラートメールが届く仕組みも備えています。これは、体調不良や目的外利用といったトラブルの早期発見を意図したものです。さらに、親会社であるINFORICHが展開するアプリ等とも連携し、設置場所や空室状況を確認できるようになっています。
3.mamaroを設置する施設の導入ニーズ
導入施設として、ショッピングセンターなどの商業施設、自治体の公共施設、娯楽施設、駅・道の駅・空港などの交通機関が挙げられます。施設の種類によって、導入の目的やニーズには違いがあります。
屋外用の mamaro solana は、公園や動物園・遊園地といった屋外レジャー施設、週末の屋外イベントなどでの導入が多く、野ざらしの場所や軒下に設置されることもあります。親子で出かけた先で困ったときに使える、という現場のニーズに応えています。
インタビューでは、こうしたベビーケア環境の有無が、子育て世代の「お出かけのしやすさ」そのものを左右する、という点が語られました。設備が整っていないことへの不安から外出を控えてしまう保護者もいるため、mamaro の導入は利用者サービスと集客の双方につながりうる、と整理されています。
4.mamaroの導入施設、利用者の声
導入施設から次のような声が届いています。
- 商業施設:ベビーケア設備のなかったフロアに設置したところ、土日は平均10組、平日も3〜4組ほどに活用されている。
- エンターテインメント施設:子どものことを考えて野球観戦やコンサートを諦めていた保護者のために導入した。
- カーディーラー:商談時に同席する家族にも居心地のよい場所を提供したいと考え導入した。
利用者側からは、完全個室で鍵をかけられる安心感への評価が特に多く寄せられているとのことです。また、QRコードを通じて寄せられるコメントには海外からのものもあり、京都や奈良などの観光地では海外から訪れた方の利用も見られるといいます。利用は予約不要で、空いていれば使えるという手軽さも特徴です。
お問い合わせ
Trim株式会社 公式サイト:https://www.trim-inc.com/
コメント
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本Webサイトの運営担当者です。2005年から、産学官連携や産業振興の業務に携わっています。
コメント
今回お話をお伺いし、ベビーケアルームが多くの子育て世代から高いニーズを持たれていることを、あらためて実感しました。利用者満足度の高さはその確かな裏付けですが、それ以上に印象に残ったのは、ベビーケアルームが整っていないことが、子育て世代の外出そのものを控えさせてしまう要因になっているという点です。清潔な場所で授乳したいのに多目的トイレを案内されてしまう、設備が施設の端にあって子どもが泣いたときに大変、といった声の一つひとつに、これまで見過ごされてきた社会的な課題が表れているように感じ、考えさせられました。
省スペースで設置しやすいこと、そして完全個室であることの安心感など、設置側・利用者側のいずれのニーズも満たせる製品だと思います。子育て世代が安心して出かけられる環境づくりは、誰もが暮らしやすいインクルーシブな社会へとそのままつながっていきます。読者の皆様にも、ぜひこの取り組みを知っていただき、共感の輪が広がっていくことを期待しています。このコメントと投稿者はデジタル証明書(VC)によって真正性が保証されています。
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須藤 慎
記事作成者
株式会社キャンパスクリエイト・専務取締役・プロデューサー