世界23ヵ国のローカルパートナーと共に走る ― ティーエスアイが実現する“グローカル”なスタートアップ海外展開支援

海外展開パートナー等

公開日 

ヒアリング先
ティーエスアイ株式会社代表取締役社長 熊谷 孝幸 氏

ティーエスアイ株式会社は、世界23ヵ国・60組織のローカルパートナーネットワークと、技術系×グローバルに特化した支援ノウハウを掛け合わせ、日本の中小・中堅企業およびスタートアップの海外展開を一気通貫で実行支援する事業開発のベストパートナーです。「グローバル×ローカル=グローカル」を信条に、言語の通訳を超えて文化までを橋渡しし、市場調査から戦略立案、現地パートナー探索、実行、事業稼働までを伴走します。ハードウェアスタートアップに特化したアクセラレーションプログラム「Forge(フォージ)」も、東京都の事業として推進中です。

 

1.グローバル展開支援サービスの全体像、内容

ティーエスアイ株式会社は、2002年に創業されたグループ(現法人は20186月設立)を母体に、京都本社・東京支店を構え、ベトナム(ホーチミン)およびインド(ムンバイ)に海外拠点を持つ事業開発カンパニーです。代表取締役社長を熊谷孝幸氏が務め、Social Impact Solutions株式会社の100%子会社として、グループ横断で事業開発から事業運営までの豊富な知見を有しています。

同社の事業領域は大きく4つに整理されます。それぞれが独立しつつ、海外展開という共通テーマの下で有機的に連動しているのが特徴です。

海外市場調査

「どの国に進出すべきかわからない」「対象国の情報が手に入りにくい」「戦略を練るだけの情報がない」――こうした初期段階の課題に対し、デスクリサーチによるPESTLE分析(政治・経済・社会・技術・法律・環境)を中心とした初期調査パッケージと、目的に応じて設計するオーダーメード調査の2階層で対応します。マクロ環境分析、業界分析、ベンチマーク調査、アンケート、デプスインタビューなどを組み合わせ、参入戦略策定・ニーズ調査・競合商流調査・規制調査・F/Sといった幅広い目的に応じた調査を提供します。

海外事業開発

「現地企業に連絡してもアポが取れない」「交渉がうまく進められない」「現地法人設立の方法がわからない」といった実行段階の壁を乗り越えるためのサービスです。最短1ヶ月でパートナー候補の探索からコンタクト・初回面談セッティングまでを行うパートナー探索パッケージと、戦略立案・アクションプラン作成・実行までを一貫して伴走するワンストップ伴走型サポートを用意。現地パートナー探索・交渉サポート、現地法人設立、越境EC・デジタルマーケティング、クロスボーダーM&Aまでをカバーします。

スタートアップ共創型事業開発

大企業向けのオープンイノベーション支援です。海外スタートアップのソーシングが難しい、アポが取れない、プロジェクト推進が思うように進まない、といった大企業側の課題に対し、事業開発方針策定・プランニング、生きたネットワークからのソーシングとコンタクト、スタートアップ選定とプロジェクト推進、プロトタイピング支援までを行います。世界中のスタートアップのビジネスモデルを再構成した独自プラットフォーム「Growtheater」(約2万社のデータベース)や、アクセラレーションプログラム運営ツール「Contestiva」など、自社開発ツールも活用します。

スタートアップ支援

アクセラレーションプログラムの運営と、大学発スタートアップ創出支援の2軸で展開しています。アクセラレーションプログラムは海外市場参入(in-outout-in)をゴールに、セミナー・メンタリング・マッチング・交渉サポートまで徹底して伴走。大学発スタートアップ創出支援では、研究シーズの事業化に向けた市場調査・ビジネスモデル構築から起業まで支援し、大学側へのノウハウ定着支援も提供しています。

これらの4領域全体を貫くのが、「調査・戦略策定」「実行」「事業稼働」の3ステップを一気通貫で支援する伴走型のアプローチです。一般的な大手コンサルティングファームと同様の業務範囲をカバーしつつ、コスト構造を工夫してワンストップで提供できる体制が、同社ならではの価値となっています。

参考:ティーエスアイ株式会社 https://tsi-japan.com/

2.ティーエスアイのグローバル展開支援に関する強み/こだわり

ティーエスアイのグローバル展開支援には、他社にはない明確な強みとこだわりがあります。海外進出を成功させる3要素「情報力」「戦略」「推進力」を、それぞれ独自の体制で支えています。

世界23ヵ国・60組織のローカルパートナーネットワーク

最大の強みは、東南アジア、インド、台湾、アフリカ、欧州、米州など、世界23ヵ国にわたる60組織との生きたネットワークです。日本、台湾、ナイジェリア、インド、ベトナム、インドネシア、シンガポール、タイ、マレーシア、フィンランド、ドイツ、フランス、イギリス、イスラエル、ジョージア、ケニア、カメルーン、コンゴ民主共和国、南アフリカ、チュニジア、韓国、チリ、アメリカと、進出ニーズの高いエリアを幅広くカバー。市場調査レポートには現れないリアルタイムの「生きた情報」へのアクセスが可能です。

「グローカル」――徹底した現地主義

同社が信条としているのが「グローカル(グローバル×ローカル)」の発想です。日本人が日本人の顔だけで現地に乗り込んでも、現地のネットワークには入り込めない。この実感から、それぞれの国に必ずローカルパートナーを置き、インドにはインド人、ベトナムにはベトナム人と、現地出身のメンバーが現地ネットワークの入口を担う体制を構築しています。社内にもナイジェリア、インドネシア、ベトナム、台湾などからのメンバーが在籍し、海外と日本をつなぐハブとして機能しています。新規市場への参入は「現地でどれだけのネットワークを持つ人を捉まえられるか」にほぼ依存するという同社の確信は、長年の実務から導かれたものです。

言語ではなく文化までを翻訳する「通訳者」の役割

同社が提供する価値は、単なる言語通訳ではありません。スタートアップ、大学、事業会社それぞれの「思考回路」「商習慣」が異なる中で、その間に立ち、物事をスムーズに進めるための文化的なギャップを埋める役割を担います。通常では出会うことのなかった関係性を、仲介者として能動的に組み立てていくのが同社の流儀です。

技術×グローバルへの集中

同社が特に注力しているのが、「技術系製造業(ディープテック・ハードウェア)」と「グローバル」の交差点です。代表の熊谷氏自身が大阪大学大学院で光学・物性物理を専攻した博士課程修了者であり、複数の大学発ベンチャー立ち上げに関わった経歴を持ちます。技術内容を理解した上で事業開発のブリッジを行えるという点は、ソフトウェア偏重のコンサルティングが多い中で、極めて貴重な強みです。実際、ディープテックは単価が高くなる傾向があるため、進出国の選定段階から購買力のあるエリアを見極める必要があり、技術と市場の双方を理解した戦略立案ができることが、成功確率を大きく左右します。

徹底した実行支援

同社が掲げる「徹底した実行支援」というメッセージは、つなぐ役割で終わらず、その先に実務が生まれ、実益が出るところまで伴走するという意志の表れです。市場調査・戦略策定の上流から、現地視察・現地法人設立・パフォーマンスモニタリング・経理支援・ビザ取得支援といった事業稼働後の運営まで、想定外の課題を乗り越えて「やり切る」推進力を提供しています。

実績に裏付けられた信頼性

業務用機械のインド進出(業界最大手との代理店交渉、現地ラボテスト、価格戦略策定)、ヘルスケアデザイン家電の東南アジア進出(規制調査・消費者デプスインタビューを通じた戦略策定)、スポーツ用品の越境EC展開(Shopify構築とデジタルマーケティング運用)、小型家電のOEMメーカー探索(ベトナム・インドネシア)、半導体新技術探索、クロスボーダーM&Aアドバイザリーなど、業種・国・スキーム横断の実績が豊富です。

3.グローバル展開プロジェクトの事例「Forge

ティーエスアイのスタートアップ海外展開支援を体現するフラッグシッププロジェクトが、東京都の事業「TIB CATAPULT」の中で同社が代表を務める「Forge(フォージ)」クラスターです。

◆ TIB CATAPULTForgeの位置づけ

TIB CATAPULT」は、スタートアップと大企業・投資家の協業を目指す東京都が運営する3年間のプロジェクトです。複数企業からなる「クラスター」を組成し、クラスター内外の企業とスタートアップの協業支援を実施する仕組みで、ティーエスアイは「ものづくり分野のスタートアップ支援に特化したForgeクラスター」の代表を務めています。

参考:TIB CATAPULT公式サイト https://tibcatapult.metro.tokyo.lg.jp/

◆ Forgeが目指すもの

Forgeは、「ハードウェアスタートアップ×中小企業×大企業」という新しいイノベーションモデルの確立を目指しています。ハードウェア開発の革新によるスタートアップの事業推進、スタートアップによる既存産業の革新と新産業の創出、「スタートアップ×日本の製造業」のモデルを世界に発信していくという3本柱で構成され、世界中のハードウェアスタートアップが日本の製造業と連携する正の循環を生み出すことを狙っています。

対象分野

「ものづくり」要素があるスタートアップであれば幅広く対象とする方針で、ロボット・自動化、医療機器・ヘルスケア、現実世界へのAIの実装、機能性材料、高級エレクトロニクス、ディープテック、航空宇宙、特殊産業機器など、日本の産業が他国に勝てる可能性のある分野を積極的にソーシングしています。

推進体制

Forgeは、ティーエスアイが全体統括を担い、グループ企業の株式会社ツクリエがオペレーションを担当。大企業パートナーとしてニコン、NTT DXパートナーズ、化学メーカーなどが参画し、PoCパートナーにきらぼし銀行、三井不動産、製造パートナーにNICHINAN GROUP、ベンチャーフレンドリープロジェクト、相双テクノネットワーク、ネットワークパートナーにCORUNDUMJMACなどが名を連ねます。様々な企業がスタートアップとの協業を目的に参画する、まさに「クラスター型」の支援体制です。

シームレスなPoC環境

きらぼし銀行運営のインキュベーション施設「KicSpace」(羽田空港近くのHiCity内)、三井不動産が開発した千葉県柏の葉の「KASHIWA-NO-HA SMART CITY CO-GROWTH」など、モビリティサーキット、ドローンフィールド、草刈りフィールド、社会需要性検証、フィールド課題調査、共同研究といった多様なPoCフィールドを提供。実機能・実環境で取得したデータをもとに、継続的な改善サイクルを回せる環境を整えています。

参考:Forge公式サイト https://forge-tokyo.com/ja/

TIB CATAPULT https://tibcatapult.metro.tokyo.lg.jp/

コメント

  • 須藤 慎

    記事作成者

    株式会社キャンパスクリエイト・専務取締役・プロデューサー

    本Webサイトの運営担当者です。2005年から、産学官連携や産業振興の業務に携わっています。

    コメント

    23ヵ国の現地パートナーを含むネットワークを構築されている点が、まず非常に印象的でした。スタートアップにとって、「どの国に進出すべきか」という判断は、限られた時間と資金の中で行わなければならない最も難しい意思決定の一つです。本来であれば可能性のある国それぞれで市場調査を行いたいところですが、現実にはそこまでの予算も時間も確保できません。そんな中で、対象国の選定検討段階から、現地パートナーとの連携、現地法人設立、事業稼働後の伴走までを一気通貫で支援していただける体制は、海外展開を志すスタートアップにとって大きな安心感につながると感じました。
    また、「グローカル」という観点で、ネットワークを非常に重視し、大切にし、実際の支援サービスに活かしているこだわりは、海外展開を行う上での“まさしくツボ”だと思います。日本人が日本人の顔だけで海外に乗り込んでもうまくいかない、その国にはその国の文化と人間関係があり、現地に溶け込めるローカルパートナーがいて初めて入っていける。この実感に基づく徹底した現地主義は、ティーエスアイ様ならではの哲学です。社内にもナイジェリア、インドネシア、ベトナム、台湾などからのメンバーが在籍し、海外と日本を文化レベルでつなぐ「通訳者」として機能されている点は、一朝一夕に培えるものではなく、日頃の関係性を継続的に維持してきた積み重ねの賜物でしょう。
    特にハードウェア分野のディープテックにおいて、海外展開は経営戦略上きわめて重要な要素です。単価が高くなりがちなディープテック製品の進出先選定、量産パートナーの確保、地政学リスクを踏まえた製造拠点戦略といった事業展開上の難所において、ティーエスアイ様が持つ豊富な経験とノウハウは、実務的にも戦略的にも大きな助けとなるはずです。さらに、「Forge」を通じてハードウェアスタートアップに特化した支援を体系化されている点も、ディープテック支援を必要とする方には心強い選択肢になると感じました。

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