クラウドカメラが育てるAIプラットフォーム セーフィーが描くフィジカルAIの未来
基盤技術・サービス
- 関連分野・業種
- 製造、物流・倉庫、建設・インフラ、モビリティ、医療・ヘルスケア、介護・福祉、農業・一次産業、小売・店舗、サービス・施設運用、公共
公開日
- ヒアリング先
- セーフィー株式会社執行役員 植松 裕美 氏
国内クラウドカメラ市場でトップシェア(※1)を誇るセーフィー株式会社が、「Safie AI Studio(セーフィー エーアイ スタジオ)」をリリースしました。クラウドカメラで蓄積してきた膨大な映像データと高度なセキュリティ基盤を活かし、AI開発者が「素早く・低コストで・セキュアに」AIモデルを開発・展開できるプラットフォームです。建設・小売・介護など多様な現場の課題を映像×AIで解決し、フィジカルAIの社会実装を加速する取り組みについてお話を伺いました。
※1:テクノ・システム・リサーチ社調べ「ネットワークカメラのクラウド録画サービス市場調査(2025)」より、エンジン別カメラ登録台数ベースのシェア(54.3%)
セーフィー製クラウドカメラの特徴
映像のすべてをクラウドからコントロール——いつでも・どこでも・遠隔で
セーフィーのクラウドカメラ最大の特徴は、「映像をクラウドからコントロールできる」点にあります。カメラに蓄積されたデータはクラウド上にも、カメラ内部のSDカードやメモリ、Safie Trail Station(セーフィー トレール ステーション)にも保存されますが、そのいずれもクラウド側から一元管理できます。これにより、現地にレコーダーなどの機器を設置する必要がなく、メンテナンスの手間を大幅に削減できます。映像の閲覧・管理はもちろん、アプリケーションのアップデートや設定変更も遠隔から実施できるため、多拠点・多店舗を管理する事業者にとって特に大きなメリットがあります。
また、映像データをAPIとして外部に取り出したり、クラウド内でAIを動かしたりすることも可能です。セーフィービューアーを通じた映像確認や、特定の動きを検知した際の通知機能なども備えています。
クラウドカメラが生み出す莫大な映像データ資産
現在、セーフィーには国内全域でクラウドカメラが接続・稼働しており、そこから生み出される膨大な映像データがクラウド上に蓄積されています。この「データ資産」こそが、Safie AI Studioの根幹を支えています。AI開発において良質なデータの確保はコストと時間を要する大きなハードルですが、セーフィーのプラットフォームでは、すでに現場から収集された実際の映像データをAIの学習・再学習に活用できます(※2)。これにより、精度の高いAIモデルをより効率的に開発できる環境が整っています。
※2:本取り組みではセーフィーが定める「セーフィー データ憲章」に基づき、データの適切な取り扱い及び保護に努めます。お客様の同意なく映像データを活用することはございません。
「Safie AI Studio」のコンセプトと開発の経緯
「素早く・低コストで・セキュアに」——開発者と顧客双方のためのAIプラットフォーム
Safie AI Studioは、AI開発者とエンドユーザー(顧客)の双方が活用できるAIプラットフォームです。開発者は、セーフィーのカメラ映像データを使って①既存AIモデルの活用、②既存AIモデルの再学習、③新規AIモデルの開発、という3つのアプローチでAIを「素早く・低コストで・セキュアに」構築・展開することができます。
①の「既存AIモデルの活用」では、すでに作成済みのAIモデルをSafie AI Studio上に搭載し、そのまま使えるようにする機能です。②の再学習は、環境によって精度が発揮されないAIモデルを、現場の映像データで追加学習させることで改善できる機能です。③の新規開発では、全くゼロからセーフィーのカメラ映像データを使って新しいAIを構築することも可能です。
「Safie AI Studio」の用途と新規性——今までできなかったことが、できるようになる
これまでの限界——「展開」までは届かなかった現場DX
これまでのセーフィーのプラットフォームでも、「現場を見る」「映像を振り返る」「既存システムとの連携」といった機能は実現できていました。しかし、他社のAI開発者を巻き込んで多様なAIソリューションを展開するためのインフラは十分ではありませんでした。AI開発者がセーフィーのカメラ映像を使って新しいAIを構築し、それを顧客の現場に展開するまでには、大きなコストと時間が必要だったのです。
Safie AI Studioが切り拓く新しい世界——AI開発のコストと時間を大幅削減
Safie AI Studioの登場により、この課題が解消されます。他社のAIをプラットフォームに搭載する、あるいは新規AIをセーフィーのデータで開発する際の工程である「データ収集、アノテーション(学習データのラベリング)、モデルトレーニング、デプロイ、性能評価、推論環境構築」が一連のプラットフォーム上で完結するようになりました。この統合環境によって、従来は大きなコストと時間を要していたAI開発・展開のサイクルが大幅に短縮されます。
また、セキュアな環境でのAI開発・提供が可能な点も重要な新規性です。ゼネコンや大手小売など、セキュリティ要件が厳しい企業でも安心して導入できるセーフィーの強固なセキュリティ基盤が、AI開発の舞台としても活きています。セキュリティ審査をクリアしているセーフィーのプラットフォームであることが、導入のハードルを下げる大きな差別化要因となっています。
「Safie AI Studio」の活用方法—
AIが初めての方でも使いやすい
Safie AI Studioから生み出されたAIアプリケーション – AI-appには、β版としてカート検知(小売)、物体検知(汎用)、動物検知(汎用)、群衆検知(公共)、重機近接検知(建設)などのAIが搭載されており、随時追加される予定です。
AIに詳しくないユーザーでも、すぐに業務に活用できます。エンドユーザー向けのUIには検知結果の一覧表示や通知設定機能も備わっており、メールやWebhookによるアラート通知もすぐに試すことができます。
業界ごとの活用例
建設業界:不安全行動の検知で重大事故を防ぐ
建設現場では、安全帯の不適切使用、開口部エリアへの立ち入り、転倒・転びかけ、重機周辺への立ち入りなど、多種多様な不安全行動が重大事故につながります。これらを人の目だけで24時間監視することは不可能であり、かつ状況によって異なるAIの組み合わせが必要です。Safie AI Studioにより、こうした「AIの量産」が容易になり、建設現場の安全管理を大きく底上げすることが期待されています。
小売業界:カート検知やマーケティング活用で省人化と売上向上を両立
小売・サービス業では、カート置き場のカート残量をリアルタイム検知するカート検知AIや、来店人数カウント・混雑度把握のための群衆検知AIなどが活用できます。店舗の省人化と顧客体験の向上を同時に実現し、棚割りや商品補充タイミングの最適化など、マーケティングへの応用が考えられます 。
介護業界:転倒検知で入居者の安全を守る
介護施設では入居者の転倒・転落事故の防止が喫緊の課題です。夜間や人手が少ない時間帯にも映像AIが異常を検知し、スタッフに即座に通知できる環境を整えることで、より少ない人員で高品質なケアを実現できます。 こうした介護現場へのAI活用ニーズは今後さらに高まることが予想されます。
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セーフィー株式会社:https://safie.co.jp/
※利用についてはセーフィー株式会社ホームぺージからお問い合わせください。
コメント
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本Webサイトの運営担当者です。2005年から、産学官連携や産業振興の業務に携わっています。
コメント
セーフィー様のクラウドカメラの強みを最大限に活かしながら、AIモデルを問わず運用可能な互換性と、クラウドカメラプラットフォームとしての完成度の高さが、Safie AI Studioの真骨頂だと感じました。プラットフォーム上には、標準的に利用可能なAIが用意されており、AIが初めての方でも必要なAIを選択するだけで業務にすぐ活用できる可能性があります。さらに、業務に合わせてAIをカスタマイズしたい場合も、既存モデルの再学習から新規モデルの開発まで、同一プラットフォームで対応できます。
特に注目すべきは、AIの進化スピードへの対応力です。日々新しい先端AIが登場する時代において、それをプラットフォームに載せればすぐに使えるようになるという設計は非常に合理的です。ハード(クラウドカメラ)・通信・セキュリティという盤石な基盤の上に、ソフト(AIモデル)が自由に差し替え・追加できるアーキテクチャは、陳腐化しない確固たるプラットフォームとして高く評価できます。日本全国のカメラが接続されているという規模感もまた、AIの学習データ量という観点から圧倒的な強みになっています。
AIが社会に普及する時代において、カメラはリアル空間とデジタル空間をつなぐ確固たるインターフェースです。現場の映像を「見る・記録する」という段階を超え、映像から現場の状態を「理解し・判断し・行動につなげる」フィジカルAIの時代が到来しつつあります。そのインフラを担うAIプラットフォームの進化は、フィジカルAIの社会普及に直結します。建設・小売・介護など多様な現場で映像×AIのソリューションが広がるにつれ、Safie AI Studioは日本のフィジカルAIをけん引するプラットフォームとして、大きな役割を担っていくものと大いに期待しています。このコメントと投稿者はデジタル証明書(VC)によって真正性が保証されています。
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VC(Verifiable Credential)は、デジタル空間で「改ざんが検知可能」かつ「即座に検証可能」な証明書です。
紙の証明書やPDFと異なり、暗号技術により真正性が数学的に保証されており、W3Cにより制定された国際標準規格です。








須藤 慎
記事作成者
株式会社キャンパスクリエイト・専務取締役・プロデューサー