NEDOのディープテック・スタートアップ支援事業(DTSU)|長期・大規模R&Dを3フェーズで支える基金事業

海外展開支援制度

公開日 

主催機関: 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)
制度公式ページ: https://www.nedo.go.jp/activities/ZZJP_100250.html

項目 内容
正式名称 ディープテック・スタートアップ支援基金/ディープテック・スタートアップ支援事業(DTSU)
主催 NEDO スタートアップ支援部
対象 ディープテック領域のスタートアップ(カーボンニュートラル・資源循環・経済安全保障等の課題解決に資する革新的技術)
支援の性格 3フェーズ構成・ステージゲート式の研究開発補助金
事業規模 2023〜2032年度/予算総額930億円(採択実績:2026年2月時点でDTSU111件・約630億円、GX事業16件・約89億円)

制度の概要

DTSU(ディープテック・スタートアップ支援事業)は、技術の確立や事業化・社会実装までに長期の研究開発と大規模な資金を要し、リスクは高いものの国や世界全体で対処すべき経済社会課題の解決に資する革新的技術を開発するディープテック・スタートアップを対象としたNEDOの基金事業です。VC等との協調とステージゲート審査を制度上組み込み、長期視野での実用化研究開発・量産化実証・海外技術実証を段階的に支援する構造を持ちます。GX分野の類似事業(GX事業)が並走する形で運営されています。

主な支援内容

  • STSフェーズ(実用化研究開発・前期):要素技術・試作品開発と事業化可能性調査
  • PCAフェーズ(実用化研究開発・後期):試作品開発・初期生産技術開発と主要市場獲得調査
  • DMPフェーズ(量産化実証):量産技術開発と商用化に向けた実証
  • 各フェーズ終了時にステージゲート審査を行い、認められた場合に次フェーズへ進行
  • VC等との協調を制度上盛り込み、民間投資との連動を前提とした設計
  • 採択企業の開発テーマには「グローバル展開」「国際展開」「米国展開」等を含むものが複数あり、国際展開視点が制度運用に組み込まれている
  • 関連事業として「ディープテック・スタートアップ支援基金/国際共同研究開発」があり、国際R&Dに特化した類型として併走

対象者

対象は、ディープテック領域のスタートアップです。具体的には、カーボンニュートラル・資源循環・経済安全保障等の政策重点領域の課題解決に資する革新的技術を対象とし、技術確立から事業化まで長期の研究開発と大規模資金を必要とする高リスク事業が想定されています。VC等からの投資を受けているか、ステージゲート審査を通過して継続支援を受けられる事業性を有することが実務上の要件となります。

活用を検討する際の視点

DTSUを他のスタートアップ支援制度(NEP・JETRO GSAP・J-StarX・各種補助金)と並べて見ると、「ディープテックの長期・大規模R&Dに特化し、フェーズ別ステージゲート審査と大規模予算で長期伴走する」という、他の制度にはない立ち位置が際立ちます。NEPが起業家育成の入口段階を担い、GSAP・J-StarXが海外エコシステム接続を担うのに対し、DTSUは事業化ロードマップが長期にわたる研究開発型スタートアップに対し、基金事業としての継続性と大規模予算で中長期の事業実装を後押しする立ち位置を担います。

制度設計上の特徴として目を引くのは、「ステージゲート審査方式」と「VC等との協調」の組み込みです。事業フェーズを3段階(STS/PCA/DMP)に分け、各フェーズ完了時に審査で継続判定を行う構造は、不確実性の高いディープテック事業において、マイルストーン達成度を客観的に評価しながら段階的に資金投入する運用になっています。さらにVC等との協調が制度上盛り込まれ、公的資金と民間投資が並走する構造で、スタートアップが事業化段階で必要とするエクイティファイナンスとの連携も想定されています。長期・大規模のR&Dを必要とするディープテック領域の起業家・スタートアップ、カーボンニュートラルや経済安全保障等の政策重点領域で革新技術を開発する事業者、VC等からの投資と公的補助金を組み合わせて中長期の事業実装を目指す企業にとっては、制度設計の性格上、検討価値の高い主力支援制度です。

海外展開との関係では、採択企業の開発テーマにグローバル展開・国際展開・米国展開等が含まれるケースが複数あり、国際市場での事業化を視野に入れたR&Dが制度運用上想定されています。国際共同研究開発に特化した類型も併走しており、パートナー国の機関と共同で研究開発を進める形態も選択肢に入ります。採択実績(2026年2月時点でDTSU111件・約630億円、GX事業16件・約89億円)からも、主力R&D補助金として事業が立ち上がっていることが読み取れます。

ただし、ステージゲート審査の通過・政府予算の変動による公募内容の変更可能性等、長期事業ゆえの運用上のポイントもあります。公募要領の最新版確認と、VC等との資本政策・事業計画の整合性確保が申請準備上の前提となります。

問い合わせ先

公募スケジュール・対象要件・採択件数は政府予算に基づく年度運用により見直しが行われます。最新情報は公式ページで確認してください。