海外展開支援出資ファシリティ|JBICのクロスボーダー・エクイティ支援

海外展開支援制度

公開日 

主催機関: 株式会社国際協力銀行(JBIC)
制度公式ページ: https://www.jbic.go.jp/ja/business-areas/result-facility.html

項目内容
主催JBIC(株式会社国際協力銀行)
対象海外事業展開を行う日本企業(中堅・中小企業含む)
支援形式海外M&A・インフラ・資源等のプロジェクトへの出資
設立2013年2月
対象分野海外M&A、インフラ事業、資源関連、サプライチェーン強化等
申込JBICとの個別相談

制度の概要

海外展開支援出資ファシリティは、JBICが持つ出資(エクイティ)機能を活用し、日本企業の海外事業展開を支えるために設立された出資スキームです。2013年2月の設立以来、海外M&A・インフラ事業・資源関連事業への出資を通じて、海外展開案件の資本調達を補完してきました。融資だけでは対応しきれないエクイティ需要に対応する公的スキームとして位置付けられ、B05-01 中堅・中小企業向け融資などの融資スキームと併存する制度群の一部として運用されています。

主な支援内容

  • 海外M&A案件への出資(買収ビークルへの資本参加を含む)
  • 海外インフラ事業への出資
  • 資源開発・資源獲得を目的とする海外事業への出資
  • サプライチェーン強化のための海外展開案件への出資
  • 民間投資家・金融機関との協調出資による案件組成
  • 中堅・中小企業の海外M&A案件への対応

対象者

対象は、海外事業展開を行う日本企業で、中堅・中小企業の案件も支援対象に含まれている設計です。典型的な利用シーンは、海外企業の買収を目的とするSPC(特別目的会社)への資本参加、海外インフラプロジェクトのプロジェクト会社への出資、海外資源開発事業への持分参加など、資本性資金が必要となる中長期の海外事業投資です。業種・規模の制限は比較的緩やかで、案件の戦略的意義・事業性評価を軸とする制度運用となっています。

活用時の留意点

JBIC海外展開支援出資ファシリティを他の海外展開資金調達手段と並べて見ると、「公的金融機関によるクロスボーダー・エクイティ供給」という、他の金融スキームにはない立ち位置が際立ちます。中堅・中小企業が海外でのM&Aや大型インフラ投資に参画する際、融資だけでは資本構造上対応が難しいケースがあります。買収対象の財務規律や、プロジェクトの資本効率を考えると、デット一本調子ではなくエクイティを組み合わせた資本構造が求められる局面です。他方、民間のプライベートエクイティファンドやベンチャーキャピタルは、リターン要求水準・投資期間の制約から、戦略的な海外M&Aへの伴走型出資には必ずしも適合しないという構造的課題があります。本ファシリティは、そのギャップを公的金融機関による出資で埋める枠組みとして設計されています。

制度設計上の特徴として目を引くのは、「JBICの出資は『事業の戦略的意義』を重視する設計」になっている点です。民間投資家が求めるリターン水準とは異なる論理で案件を評価する構造は、日本企業の海外展開戦略に沿った資本提供を可能にしています。また、民間投資家・金融機関との協調出資を基本とする設計により、公的資金単独ではなく、民間投資家との案件組成を通じて市場規律を維持する構造も取られています。海外M&Aを通じた事業拡大を検討している中堅企業、海外インフラ事業への参画を視野に入れている企業、資源獲得を事業戦略に組み込みたい企業にとっては、検討価値のある資本調達手段です。融資スキームであるB05-01 中堅・中小企業向け融資とは、融資と出資という性格の違いで使い分ける制度群として運用されています。

留意点として、出資案件は個別の事業性評価・戦略的意義の評価・民間投資家との協調条件の調整を要するため、案件組成に一定のリードタイムを要する構造です。中堅・中小企業にとっては、融資スキームとの使い分け・組み合わせを初期段階で整理することが、案件組成のスピードを左右する構造となっています。初回相談はJBICの個別窓口で受け付けており、事業計画・資本構成の想定を持って相談するアプローチが、制度設計として想定されている進め方です。

問い合わせ先

出資条件・対象案件・実績は年度により異なります。最新情報は公式ページおよびJBIC窓口で確認してください。