5G RedCap USBドングル~低消費電力・小型・低コストで、産業用IoTの「つながる」を実現する5G通信端末~
公開日 更新日
- ヒアリング先
- 株式会社ネクスモバイルプロダクト事業部 営業部 部長 片桐 淳博 氏
倉庫・製造現場のDXを支えるIoT機器には、安定した通信と省電力が欠かせません。そこで注目されているのが「5G RedCap(Reduced Capability)」という新しい5G通信規格です。株式会社ネクスは、この5G RedCapに国内でいち早く対応したUSBドングル「UNX-35GL」を開発。従来のLTE製品では実現が難しかった「USB Type-A接続」「低消費電力」「小型化」「国際ローミング対応」を一台で実現し、産業用IoT機器への5G導入を大きく前進させます。
1.5G RedCapとは
5G RedCapとは「Reduced Capability(縮小機能)」の略称で、フルスペックの5G機能を必要としないデバイス向けに設計された、軽量化された5G通信の新しいカテゴリです。
通常の5Gはスマートフォンや高速映像伝送を想定したフルスペック仕様であり、アンテナ数・消費電力・コストともに高水準です。一方、IoTや産業用機器の多くはそこまでの高速通信は必要とせず、むしろ「省電力」「小型」「低コスト」が最優先の要件となります。5G RedCapはその需要に応えるために設計された規格であり、帯域幅の削減・アンテナ構成の簡略化・消費電力の低減により、LTE相当の通信速度を保ちながらも5Gの恩恵(低遅延・広域展開・SA対応)を享受できる点が特徴です。
2.NCXX 5G RedCap USBドングル「UNX-35GL」の特徴
NCXX株式会社が開発したUNX-35GLは、5G RedCapに対応した産業向けUSBドングルです。従来のUSBドングル製品では「USB Type-A接続時の消費電力超過」が大きな課題でしたが、5G RedCapによる低消費電力化でこの問題を解消。産業現場で広く普及しているType-Aポートへの直接接続が実現し、既存設備との高い互換性を確保しています。

3.倉庫・工場における5G RedCapの活用性
倉庫・製造現場のDXが加速する中、5G RedCapは「フルスペック5Gではオーバースペックだが、LTEでは機能不足」という領域を埋める重要な通信基盤となります。UNX-35GLはUSBドングルとして手軽に既存機器に追加できることから、さまざまな現場機器への5G通信後付け導入が可能です。
(1)AGV・自動フォークリフトへの搭載
自動搬送ロボット(AGV)や自動フォークリフトは、バッテリー駆動であるため消費電力の制約が厳しい機器です。従来の5G端末では消費電力が大きすぎてバッテリー駆動機器への搭載が困難でしたが、5G RedCapによる低消費電力化でこの課題を解決します。小型軽量のUNX-35GLを搭載することで、AGVや自動フォークリフトの走行データ・稼働状況をリアルタイムでクラウドに送信し、遠隔監視・制御システムとの連携が可能になります。
(2)監視カメラ・産業用カメラのネットワーク接続
倉庫内の監視カメラや品質検査カメラは、設置場所の都合から有線LAN工事が困難なケースが多くあります。UNX-35GLをカメラに接続するだけで5G通信が可能となり、映像データのリアルタイム伝送や遠隔監視を実現します。さらに、デバイス管理機能(LwM2M)により、「カメラ自体の不具合なのか、通信の問題なのか」をリモートで切り分けできるため、保守作業の効率化にも貢献します。
(3)ウェアラブル端末・スマートグラスとの組み合わせ
スマートグラスをはじめとするウェアラブル端末は、重量制限が厳しく通信モジュールの軽量・省電力化が求められます。UNX-35GLの小型・軽量設計(約70g)と低消費電力性能は、こうした装着型デバイスとの親和性が高く、遠隔からの作業指示や映像伝送をより快適に実現します。
(4)工場内での工程間データ収集
製造ラインで生産された製品のデータを、出荷フェーズまでリアルタイムに収集するニーズが高まっています。工場内にローカル5Gを整備し、UNX-35GLを各生産設備や検査機器に接続することで、生産データを安全かつ安定してクラウドまたは社内サーバーへ集約できます。ローカル5GとパブリックLTEのDual SIM切り替え機能により、工場エリアでは5G、それ以外ではLTEへ自動切換えする柔軟な運用も可能です。
(5)デジタルサイネージ・産業用PC・制御機器
倉庫・工場に設置されたデジタルサイネージや業務用PC、各種制御機器にUSBドングルを接続するだけで、場所を選ばずに5G通信環境を構築できます。特に、設置場所の変更が多い仮設環境や、有線LAN工事が難しい賃貸倉庫などではその利便性が発揮されます。デバイス管理機能を活用すれば、多拠点・多台数の機器の通信状況を一元的に遠隔監視することも可能です。
4.ローカル5GとパブリックLTE/5Gの使い分け
倉庫・工場の5G活用において、「ローカル5G(プライベート5G)」と「パブリックキャリアの5G/LTE」はそれぞれ異なる特性を持ちます。UNX-35GLはDual SIM対応によりこの両方を1台でカバーし、現場のニーズに応じた柔軟な活用が可能です。
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ネットワーク種別 |
特徴と用途 |
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ローカル5G(プライベート5G) |
工場・倉庫内を閉域ネットワークで構築。セキュリティが高く、機密データの扱いに適する。現時点でUNX-35GLの主要な実績環境。 |
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プライベートLTE(sXGP・BWA等) |
ローカル5G同様の閉域運用。既存LTE設備を活用する場合に利用。 |
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パブリックキャリア5G/LTE |
屋外拠点や倉庫外のトラック・車両などへの活用。 |
株式会社ネクス 5G RedCap 紹介ページ:https://www.ncxx.co.jp/redcap/
コメント
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弊社はローカル5G基地局を開発するベンダーです。ほぼソフトウェアで構成され、オールインワン型、小型軽量、低消費電力といった特徴を持つ機器の開発を行っております。今後、Beyond 5Gの時代へ向けて新規機能を追加するなど技術的な面からも業界に貢献できるよう進めております。
コメント
ローカル5G基地局のメーカーとして、RedCapを昨年対応を行いました。株式会社ネクス様はいち早くRedCapをサポートすることを発表され、RedCap対応USBドングル「UNX-35GL」と弊社の基地局で開発段階から接続検証を行ってまいりました。
RedCapは標準の設定においても、LTE Cat.4以上の性能を持ち、さらに従来のローカル5Gデバイスと比べて低消費電力になるという特徴があります。
さらに小型、また様々なインターフェース持つといった特徴を持つ「UNX-35GL」はローカル5GにてIoTを行う上でも扱いやすいデバイスの一つであると思います。
ローカル5Gは同一敷地内にて専用の設備を利用し周波数を占有し、利用できるという特徴があります。また出力を大きくすることができることから広いエリアをカバーし、かつ、基地局間の切り替えをスムーズに行うことができるという特徴があります。
このローカル5Gの特徴を活かしたながらIoTを行うためには、RedCapは有力な選択肢の一つになると期待しています。
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このコメントと投稿者情報は、「改竄されていないか」や「正当な投稿者か」などを暗号学的に検証できる〈Verifiable Credential(VC)〉によって保証されています。
それらがシステム上で検証された後に記事にコメントとして表示されています。VCとは
VC(Verifiable Credential)は、デジタル空間で「改ざんが検知可能」かつ「即座に検証可能」な証明書です。
紙の証明書やPDFと異なり、暗号技術により真正性が数学的に保証されており、W3Cにより制定された国際標準規格です。 -
須藤 慎
記事作成者
株式会社キャンパスクリエイト・専務取締役・プロデューサー
本Webサイトの運営担当者です。2005年から、産学官連携や産業振興の業務に携わっています。
コメント
5G RedCapという言葉は、まだ多くの方にとって聞き馴染みがないかもしれません。けれど倉庫DXの現場では、「通信をどう用意するか」が自動化の成否を左右する場面が増えており、RedCapはその選択肢を賢く広げてくれる技術だと感じました。たとえば倉庫内にローカル5G基地局を設置し、接続対象の機器(AMRなど)と安定して通信したい場合、一般的にはCPEと呼ばれる通信端末を用いることが多いでしょう。一方で、必要とされる通信性能が「フルスペックの5G」ほど高くないケースでは、CPEは過剰仕様になり、コストや消費電力、設置スペースといった別の負担が重くなることがあります。
そこで一歩立ち止まって検討したいのが、RedCap対応端末という発想です。RedCapは「IoT・産業用途に必要なところは押さえつつ、機能を適切に絞る」ことで、低コスト・省電力・小型といったメリットを得やすい規格です。ネクスの5G RedCap USBドングル「UNX-35GL」は、こうしたRedCapの利点を現場導入しやすい形に落とし込んでおり、既存機器に「後付け」で5G接続を追加できる点も魅力です。CPE導入の議論が出たタイミングで、「RedCapでも要件を満たせないか?」と考えてみるだけで、より良い構成や費用対効果にたどり着ける可能性があります。ぜひ一つの知識として知っていただければと思います。
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松浦 晋之介
支援者
株式会社FLARE SYSTEMS・取締役