倉庫DXを「トータル」で支援するフジテックスのソリューションと、無線環境の構築・評価/RFID活用支援の事例

倉庫DX

公開日 

ヒアリング先
株式会社フジテックスシニアマネージャー 半澤 真菜美 氏

フジテックスは、倉庫・工場向けのネットワーク構築からRFIDシステムの導入・活用提案まで、物流現場の課題を幅広くサポートするソリューションプロバイダーです。AGVAMRなどの自動化設備、バーコードリーダー、RFIDなど複数のデバイスを熟知した「物流×ネットワーク」の複合的な視点により、機器選定から導入後の保守まで一貫した支援を提供しています。

1. フジテックスのサービス群と強み

フジテックスは、倉庫・物流現場におけるシステム・設備の導入支援を中核事業としています。AGV(無人搬送車)やAMR(自律移動ロボット)といった搬送ロボット、ハンディターミナル、バーコードリーダー、RFIDシステム、さらに無線ネットワーク環境の構築など、幅広い製品・ソリューションを取り扱っています。

同社の最大の強みは、「物流設備の専門知識」と「ネットワーク技術」の両方を兼ね備えている点にあります。一般的なネットワーク専業の業者は通信技術には詳しくても、物流現場特有の設備や運用課題には精通していないケースが多くあります。フジテックスは、AGVAMRの必要スペックや現場の運用実態を深く理解した上でネットワーク環境の最適化を提案できるため、「機械の問題なのかネットワークの問題なのか」という現場に多いトラブルの原因特定から解決まで、ワンストップで対応することが可能です。

また、RFIDとバーコードリーダーの双方を取り扱っているため、それぞれのメリット・デメリットを踏まえた中立的な視点で最適な手段を提案できる点も、顧客からの信頼を得ている理由の一つです。

2. サービス例倉庫・工場のネットワーク構築

現場の課題:見えにくいネットワーク起因のトラブル

今日の倉庫・工場では、AGVAMRをはじめ、ハンディターミナル、タブレット、各種センサーなど、無線通信を必要とする設備が急速に増えています。こうした環境では、複数メーカーの機器が混在することで電波干渉が発生したり、繁忙期に作業者数と端末数が増えることでネットワークが輻輳(ふくそう)したりと、通信品質の低下が業務効率を大きく損なうケースが増えています。

特に問題なのは、こうしたトラブルの原因が「機械の故障なのか、ネットワークの問題なのか」を現場や顧客だけでは判断しにくい点です。ロボットメーカーに問い合わせても「機器側に異常はない」と言われ、原因特定が困難なまま業務が滞るケースもよく見られます。フジテックスへの相談の多くも、まさにこうした「導入後にネットワークを見直したい」という声から始まっています。

フジテックスのネットワーク構築サービス

フジテックスのネットワーク構築サービスは、大きく「事前の電波伝搬調査」「無線環境の構築・最適化」「導入後の保守サポート」の3段階で構成されています。

① 事前の電波伝搬調査

測定器を持ち込んで現場の電波環境を実際に計測し、干渉の発生箇所、アクセスポイント間のローミング問題、特定エリアへの通信集中など、ネットワーク障害の原因を可視化します。新規設備の導入前だけでなく、稼働後に問題が顕在化してから調査に入るケースも多く、現場の実態に即した診断を行います。

② 無線環境の構築・最適化

調査結果をもとに、アクセスポイントの増設・入れ替え・配置変更、追加配線工事、冗長化ネットワークの構築など、最適な無線環境の整備を実施します。Wi-Fi以外の通信方式の提案や、障害発生時に切り替え用のバックアップネットワークを新規に構築するといった対応も行っています。また、各企業のセキュリティポリシーに合わせて、ファイアウォールの設定や専用ネットワークの構築など、セキュリティ要件への対応も含めた包括的な提案が可能です。

③ 導入後の保守・アフターサポート

ネットワーク機器の導入後も、専門業者と連携した継続的な保守サポートを提供しています。稼働後の環境変化(設備増設・繁忙期の負荷変動など)にも柔軟に対応できる体制を整えています。さらに、UPS(無停電電源装置)や蓄電池、ネットワークカメラなどの周辺機器も合わせて提案しており、倉庫・工場のインフラをトータルで支えます。

フジテックスならではの強み

ネットワーク構築を手がける業者は多数存在しますが、フジテックスの差別化ポイントは「物流・倉庫設備の知識とネットワーク技術の両方を兼ね備えている」点にあります。AGVAMRの動作特性や物流現場での運用パターンを熟知しているからこそ、単なる通信インフラの整備にとどまらず、現場の業務フローに即した最適な提案が可能です。「ネットワークの問題なのか機械の問題なのか」という判断も含めて、物流と通信の双方の視点から包括的にサポートします。

3. サービス例② RFIDシステム(在庫管理/棚卸・入出荷・検品・ピッキング等)

RFIDとは何か、活用できる場面

RFIDRadio Frequency Identification)は、タグに埋め込まれた無線チップを専用のリーダーで読み取ることで、商品や物品を自動認識する技術です。バーコードと異なり、タグを直接スキャナーに向けなくてもスキャナーにかざすだけ・通過させるだけで自動的に読み取れるため、「探してスキャンする」という作業そのものをなくすことができます。

主な活用シーンとしては、棚卸し、入出荷管理、検品、ピッキング、仕分けなどが挙げられます。ユニクロのレジでよく知られているように、商品をまとめてかごに入れるだけで一括読み取りができるイメージに近いもので、倉庫・物流現場でも同様の仕組みを様々な工程に応用することができます。

導入事例:RFIDタグを活用したトータルピッキング&仕分けシステム

フジテックスが支援したある事例では、制服・ユニフォームを扱う企業がRFIDタグを活用した物流効率化に取り組みました。

導入前の状況: 商品にはすでにRFIDタグが付いていましたが、活用は棚卸し作業のみにとどまっており、タグの持つポテンシャルが十分に引き出されていませんでした。

導入したシステム: RFIDタグに対応したデジタルソートシステム(有線タイプ)を導入。その日に出荷する商品をトータルピッキングでまとめて取り出した後、各納品先の仕分けボックスに商品を投入するだけで、タグが自動読み取りされ検品が完了する仕組みを構築しました。

導入後の効果: 作業者は「商品を投入するだけ」で検品が完了するため、目視確認やスキャン操作が不要になり、ミスなく各顧客別に仕分けることが可能になりました。RFIDを活用した検品では、従来比10倍以上の速度向上を実現したお客様の事例もあります。コンベアで商品を流すだけで一括読み取りを行い、エラーが出た分のみ人手で対応するといったオペレーションも実現できます。

RFIDタグの選定と導入支援

RFIDタグには多様な種類があり、取り扱う商品や保管環境によって適切なタグが異なります。フジテックスは、以下の観点でタグの選定から丁寧にサポートします。

・商品の素材・容器: 金属・スチール製品や半透明・透明容器は電波を干渉・反射しやすく、読み取りが難しい場合があります。素材に応じたタグ選定が不可欠です。

・タグの使用回数: 使い捨て(1回きり)か、返却・再利用するかによって、タグの仕様・コストが変わります。

・保管・運用環境: 他の電波発生源との干渉リスクや、温湿度環境なども考慮した上でタグを選定します。

バーコードとRFIDの使い分け提案

フジテックスはバーコードリーダーも取り扱っており、RFIDとバーコードそれぞれのメリット・デメリットを比較した上で、顧客の状況に最適な手段を提案しています。

RFIDが特に効果を発揮するのは、商品単価が高い・検品作業が多い・ピッキング頻度が高いといったケースです。一方、商品単価が低い場合や、金属・液体など読み取りが難しい素材の場合は、バーコードの方が適しているケースもあります。また、もともとタグが付いていない商品にRFIDを導入する際は「タグを貼り付ける工数が増える」という点も正直にお伝えし、顧客が納得した上で選択できる提案を心がけています。

ピッキング作業においても、RFIDの導入により概ね1.5倍程度の効率向上が期待できます。検品工程への適用では、業務内容によっては10倍以上の大幅な生産性向上を実現した事例もあります。

まとめ

フジテックスは、倉庫・工場のネットワーク構築とRFIDシステム導入という2つのサービス領域において、物流設備の知識とIT・通信技術を兼ね備えたワンストップの支援を提供しています。「機械が悪いのかネットワークが悪いのか分からない」「RFIDを使ったことはないが効率化したい」といった現場の悩みに対して、事前調査から機器選定、環境構築、運用後のサポートまで、一貫した体制で対応します。

AGVAMRの普及や物流現場の自動化が進む中、ネットワーク環境の整備とRFID活用の重要性は年々高まっています。フジテックスは、「物流×ネットワーク×RFID」という複合的な視点から、物流DXを強力にサポートします。

 

フジテックス物流倉庫プランナーズ:https://lplanners.jp/

コメント

  • 須藤 慎

    記事作成者

    株式会社キャンパスクリエイト・専務取締役・プロデューサー

    本Webサイトの運営担当者です。2005年から、産学官連携や産業振興の業務に携わっています。

    コメント

    倉庫DXは、AGV・AMRやRFIDなど「個別のソリューション導入」に注目が集まりがちですが、実際にはそれらを支える無線環境や運用設計まで含めて整えないと、期待した効果が出ないことも少なくありません。今回ヒアリングして強く感じたのは、倉庫DXに関する多様なソリューションを扱っているからこそ、現場・機器・通信を横断して捉える広範な専門知識と、顧客課題を解きほぐしていく提案力を備えている点でした。
    記事内で紹介されている無線環境評価は、倉庫でよくある無線トラブル、例えば電波干渉、ローミング不良、繁忙期の輻輳などを、測定と可視化によって原因特定し、必要な手当てに落とし込むアプローチです。「機械が悪いのか、ネットワークが悪いのか分からない」という状況は現場では頻発しますが、物流設備の動作特性まで理解している立場で切り分け支援ができるのは、現実的にとても価値が高いと感じました。
    またRFID活用についても、単にデータを読める/読めないの話ではなく、工程(棚卸・検品・ピッキング・仕分け)ごとにどこで効果的なのか、タグの素材や運用、費用対効果まで踏まえて提案されている点が印象的でした。導入や評価導入にとどまらず、その先の発展的な業務改善、たとえばトータルピッキングから仕分けまでを一気通貫で滑らかにするといった設計に向けて、具体的なアドバイスを得られる可能性があります。
    倉庫DXプランナーズのWebサイトではこうした知見が整理されており、物流改善に関するイベントも開催されています。倉庫の課題を「点」ではなく「面」で解決したい方にとって、まず情報収集からでも触れてみる価値のある内容だと思います。

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