「島の声を、未来の仕組みに変えていく」── 伊豆大島視察の記事が地域メディア「東京都離島区」に掲載されました ~インクルーシブな地域づくりは、技術を持ち込むことからは始まらない~
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当社専務取締役・須藤慎が本年6月2日から4日にかけて実施した伊豆大島視察について、株式会社TIAMが運営する地域メディア「東京都離島区」に記事「島の声を、未来の仕組みに変えていく」が掲載されました。
■ 視察の背景
当社は電気通信大学発の承認TLO(技術移転機関)として、大学・研究機関の技術と地域・企業の課題をつなぐ活動を27年間続けてまいりました。近年はインクルーシブ領域のスタートアップ支援に力を入れており、今回の視察は、東京島しょ地域とのネットワークづくりと現地調査を目的に行ったものです。
島で暮らす人、働く人、訪れる人。年齢や立場、身体的な条件、言語、生活環境の違いを超えて、誰もが暮らしやすく関わりやすい地域をつくるために、スタートアップの技術や知見はどのように寄り添えるのか。その問いを持って、現場を訪ねました。
視察には、フィールド・フロー株式会社の渋谷健氏、avatarin株式会社の筒氏がオンラインで参加。大島町役場、大島町商工会、大島マリンサービス株式会社、Izu-Oshima Co-Working Lab WELAGO、一般社団法人大島観光協会、大島旅客自動車株式会社、七島信用組合など、島の暮らし・観光・産業を支える現場をめぐりました。
■ 見えてきたのは「資源不足」ではなく「接続不全」
記事では、視察を通じて浮かび上がった課題の輪郭が描かれています。大島に資源がないわけではありません。三原山、波浮の港町、椿、温泉、海、ジオパークとしての自然。食も文化も、島ならではの暮らしの知恵もあります。それぞれの現場には、島をよくしたいと考え、自分の持ち場で懸命に動いている方々がいます。
しかし、船は動くのか、港はどちらになるのか、着いてからどのバスに乗ればよいのか、今日開いている飲食店はどこか。一つひとつの答えは島のどこかにあり、誰かが知っています。ただ、それらが互いに十分つながっていないために、訪れる人にも暮らす人にも見つけづらくなっている。本質的な課題は、資源の不足ではなく接続の不全ではないか。これが視察を通じて見えてきた仮説です。
■ インクルーシブ社会づくりの視点から
情報が届かないために行動をあきらめる。移動の手段がないために滞在の範囲が狭まる。相談先がわからないために困りごとを抱えたままになる。これらは、特定の誰かだけの問題ではなく、島を訪れるすべての人、島で暮らすすべての人に起こりうることです。接続不全の解消は、インクルーシブな地域づくりそのものにつながっています。
記事にあるとおり、技術の役割は島の外から答えを持ち込むことではありません。人の営みを置き換える技術ではなく、人の営みを支える技術。島の方々が積み重ねてきた判断や知恵を尊重しながら、それをより多くの人に届く形へ整えていくこと。その視点があってはじめて、技術は地域の中で意味を持ち始めます。
視察の先には、フィールド・フロー株式会社の渋谷氏が導き出した「Oshima Living Sandbox」という構想の輪郭も見えてきました。大島を外部企業の実験場にするのではなく、「未来の暮らしを共につくる場所」へと捉え直す考え方です。
当社は今後も、島の声を起点としたインクルーシブな地域づくりを、産学官連携のコーディネーターとして追及してまいります。


