耐酸化性に優れる銅ナノ粒子の環境に優しい合成と貴金属触媒への代替可能性

技術・ノウハウの基本情報

組織・研究者 中央大学 理工学部
田中 秀樹 教授
種類 開放特許、大学の技術・ノウハウ
分野 環境/有機化学/無機化学、ナノテクノロジー
概要 硝酸銅を保護材とともに溶液中に入れ、光で還元させることにより、耐酸化性に優れる銅ナノ粒子を生成する技術を研究しています。光還元法であるため環境にやさしく、耐酸化性に優れるため金・白金などの貴金属ナノ粒子への代替可能性があります。 保護材はPVPを用いた場合には再生利用が可能であり、カーボンナノチューブを用いた場合は耐酸化性を高めることができることを確認しています。本技術の製品化・活用に意欲がある企業を歓迎します。

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【簡略図】

【背景】
銅は貴金属である金・銀と同じ第11族元素であるため同様の触媒作用が期待されていますが、極端に酸化しやすい特性から調整および利用が困難でした。
また、従来の調整法では強力ではあるが有害な還元剤(ヒドラジン等)を用いる必要があったため、人体への有害性や廃液処理の必要があるなど、実用状で大きな課題がありました。
そこで、硝酸銅を保護材とともに溶液中に入れ、光で還元させることにより、耐酸化性に優れる銅ナノ粒子を合成する技術を研究しています。光還元法のため環境に優しく、耐酸化性に優れるため触媒としての利用可能性があります。
本技術の製品化・活用に意欲がある企業を歓迎します。

【技術内容】
下記は光還元前(a)、光還元途中(b)、光還元後(c)の写真です。

光還元前の光学スペクトルは下記の通りです。700nm付近にブロードなピークが観測されており、硝酸銅であることを示しています。

光還元後の光学スペクトルは下記の通りです。570nm付近にブロードなピークが観測され、銅ナノ粒子の表面プラズモン共鳴に特有の波長域に表れていることから、銅ナノ粒子が生成されていることが分かります。粒径は5nm程度です。

下記は光還元をはじめて18時間後のXDRの解析画像です。カーボンナノチューブ(CNT)、銅(Cu)のピークが出ており、酸化銅(Cu2O)のピークはほとんど出ていません。

下記はカーボンナノチューブを保護材にしたケースであり、(a)は光還元前、(b)は光還元後です。カーボンナノチューブに銅ナノ粒子が担持していることが分かります。

【技術・ノウハウの強み(新規性、優位性、有用性)】
光還元法であり溶液も市販のもので良いため、安価で環境に優しい手法です。
従来法として銅を還元させるためにヒドラジンを用いるケースがありますが、有毒性でありかつ廃液処理を行う必要があります。また、酸化が非常にしやすい特性があります。

本技術では耐酸化性が高く、ナノ粒子触媒としての利用可能性があります。
保護材にPVPを用いた場合は大気中に暴露しておくと硝酸銅の状態に戻る特性があり、触媒失活後の再生に活用できる可能性があります。
カーボンナノチューブを保護材にした場合は、再生はできませんが耐酸化性を高めることができます。
また、分散液ではなく粉末状にしたままでも耐酸化性を保つことを確認しています。

【連携企業のイメージ】
例えば下記の企業と連携可能です。
1)触媒の製造・開発・販売等を行っている企業。
2)ナノ粒子の製造・開発・販売等を行っている企業。
3)化学品の合成を事業としている企業。
4)他、本技術の活用・実用化に意欲がある企業。

【技術・ノウハウの活用シーン(イメージ)】
耐酸化性に優れ、かつ材料・製造プロセスが安価であるため、金触媒・白金触媒への代替可能性があります。
銅は貴金属である金・銀と同じ第11族元素であるため同様の触媒作用が期待されていますが、極端に酸化しやすい特性から触媒での利用が難しいとされていました。
また、銅ナノインクなどへの応用可能性があります。

【技術・ノウハウの活用の流れ】
本技術の活用や製品開発に興味がある方はお気軽にお問合せください。
技術詳細をご紹介させていただきます。

【専門用語の解説】
(光還元法)
光によって誘起される還元反応です。本研究では市販のUV光源を用いています。

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