自己主権型アイデンティティ(SSI)
自己主権型アイデンティティとは、自分に関する証明を自分で保持し、自分の判断で提示するという考え方です。 Self-Sovereign Identityの訳語で、頭文字からSSIとも呼ばれます。
別表記:SSI/自己主権型アイデンティティ/自己主権型ID/Self-Sovereign Identity
従来はどうだったのか
身元や資格の情報は、発行した組織のデータベースに置かれてきました。確認したい相手は、その組織に問い合わせます。取引先に電話をかけて在籍を照会する、認定団体に資格の有無を確認する、といった手順です。
この形では、本人は自分の情報がどこで誰に照会されているかを把握できません。また、発行元がサービスを止めれば、その情報は使えなくなります。
何を変えようとしているのか
この関係を反転させます。証明を本人が持ち、本人が渡す。発行元への問い合わせを介さずに確認が成立するため、誰にいつ提示したかを本人が管理できます。
これを実現する具体的な手段が、VC(Verifiable Credentials)と呼ばれるデジタルの証明です。発行者が電子署名を付けた証明を本人が保管し、必要なときに提示する。受け取った側は署名を検証して本物かどうかを判断します。
よくある誤解:ブロックチェーンと同じものなのか
違います。現在の標準仕様は特定の技術を前提としていません。
この考え方が広まりはじめたのは2010年代後半で、当時の実装の多くがブロックチェーンを使っていました。そのため、いまでも両者を結びつけた説明を見かけますが、必須ではありません。
企業で使う場合の受け止め方
「自己主権」という語は、企業がAIに権限を持たせる文脈ではやや大げさに響きます。
実務的には、権限の情報を中央のデータベースに置いたままにするのではなく、AI自身に持たせて持ち回れるようにする、という設計上の選択として理解しておけば十分です。
