トラストトライアングル(三者モデル)
トラストトライアングルとは、証明を発行する側・持つ側・確認する側という3者の関係を表した図式です。 デジタルの証明の仕組みを説明するときに、最初に出てくる基本的な考え方になります。
別表記:トラストトライアングル/Trust Triangle/信頼の三角形/三者モデル
3者の関係
発行者が証明を作って署名し、保有者に渡す。保有者はそれを保管し、必要なときに検証者へ提示する。検証者は、署名を確かめることで本物かどうかを判断する。
紙の社員証で言えば、会社が発行し、社員が持ち歩き、訪問先の受付が確認する、という関係をそのままデータに移したものです。
この図式の要点
検証者と発行者のあいだに、直接のやりとりがありません。
従来の方式では、確認したい側が発行元に照会する必要がありました。取引先に電話をかける、認定団体のデータベースに問い合わせる、といった手順です。この図式には、その線がありません。発行者が付けた署名を、検証者が自分で確かめられるためです。
線がないことの利点
発行元のシステムが動いているかどうかに左右されません。誰がいつ確認したのかを発行元に知られずに済むため、保有者のプライバシーも守られます。そして、確認のたびに発生していた手間と待ち時間がなくなります。
技術で決まらない部分
一方で、発行者と検証者のあいだには「その発行者を信頼するかどうか」という判断が残ります。三角形の底辺にあたる部分で、技術ではなくルールや合意で決める領域です。
署名が正しく検証できることと、その発行者を信用してよいことは、別の問題です。ここを混ぜて考えると、議論が噛み合わなくなります。
AIエージェントに当てはめると
権限を委任する部門長や情報システム部門が発行者、AIが保有者、そのAIから依頼を受けるシステムが検証者になります。
