段階的導入
段階的導入とは、小さく試して確かめながら、適用の範囲を広げていく進め方のことです。
別表記:段階的導入/スモールスタート/PoCから本番へ
よくある誤解:制度を固めてから始めるべきか
制度を隅々まで設計してから始めようとすると、たいてい止まります。決めるべきことが多すぎて、合意に時間がかかるためです。
加えて、技術の入れ替わりが速い領域です。机上で完成させた制度は、導入する頃には前提が変わっていることがあります。
現実的な順序
リスクの高い業務をひとつ選び、その範囲で権限設計から記録、停止の手順までを一通り作る。実際に運用してみて、無理のあるところを直す。それから他の業務に広げる。
一度回してみると、想定していなかった手間や、逆に不要だった手続きが見えてきます。
試験導入から本番への壁
試しに動かす段階では、テスト環境で担当者のアカウントを借りて動かせば済みます。ところが本番に移そうとした瞬間に、情報システム部門から質問が来ます。
- このAIは、どのアカウントで動くのか
- 誰の承認に基づいて、その権限を持っているのか
- 権限の範囲はどこまでか
- 担当者が異動したら、この権限はどうなるのか
- 事故が起きたとき、実行の根拠をどう説明するのか
これに答えられないと、本番には上がりません。 精度は問題ないのに稟議が通らない、という状況の多くがここです。
試験導入の段階から、権限の設計を含めておくほうが、結果的に早く進みます。
