MycoGenomeとキャンパスクリエイトが業務提携契約を締結 ～ 微生物の可能性を引き出す純国産オリジナルゲノム編集技術の社会実装を目指す ～

近年、ゲノム編集技術は、新たな治療技術、創薬・再生医療の開発や、農作物の品種改良による食糧問題の解決、植物の性質転換による環境問題の改善など、さまざまな分野での応用が期待されており、現在はCRISPR/Cas9をはじめとしたゲノム編集ツールの発展により、生命の設計図であるゲノム情報をより高度に操作できるようになってきました。 

一方で、真菌 (キノコやカビ、酵母等) に対するゲノム編集は、いくつかの技術的な障壁のため産業利用に至っていません。MycoGenomeは東京理科大学 創域理工学部 生命生物科学科で教授を務めた鎌倉高志氏と、講師の荒添貴之氏の研究成果をもとに、純国産オリジナルゲノム編集技術を開発し、従来ゲノム編集が困難とされてきた真菌へのアプローチを可能にしました。この技術により、医薬品や有用物質を高効率で生産する微生物の改良や発酵効率を向上させた酵母や、風味を向上させる菌株の開発をはじめ、昨今取り組みの増加している微生物を利用したエネルギー分野への応用等、幅広い分野での技術革新と産業界の課題解決に貢献します。 

キャンパスクリエイトは、25年にわたる産学連携活動を通じて培ってきた知見とネットワークを活かしたマッチング支援、事業化支援、共同研究推進など多角的な支援活動を展開することで、これまで多くの大学・研究機関を支援し、研究成果の社会実装を促進してまいりました。今回、MycoGenomeの最新ゲノム編集技術の社会実装をキャンパスクリエイトが支援することで、産業界における技術革新と社会的課題解決の加速が見込まれるとの認識を両社で共有し、業務提携に至りました。

従来の真菌ゲノム編集では外来DNAをゲノム内に導入する「遺伝子組換え型」が主流であり、社会的な受容や規制の課題が伴いました。MycoGenomeは、自律複製ベクターを活用した非遺伝子組換え型の編集技術を確立し、GMO（遺伝子組換え作物）規制を回避しやすい形での社会実装を可能にしています。 

MycoGenomeが開発した自律複製型ベクターは、従来の真菌系ベクターに比べて高い形質転換効率を実現しています。これにより、さまざまな真菌への目的遺伝子の迅速かつ安定的な導入が可能となり、産業応用に必要な再現性・生産性の高い真菌開発を実現する技術基盤として注目されています。 

従来のゲノム編集技術（CRISPR/Cas9など）は、複数の高額な特許ライセンスを回避することが難しいという課題があります。MycoEditaは、MycoGenomeが保有する特許群に基づく独自技術で構成されており、導入企業にとってライセンスリスクの少ない知財設計を実現しています。 

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