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大学との共同研究契約書のポイント/心得

企業の方が大学と初めて共同研究契約(あるいは受託研究契約)を結ぼうとするとき、条文を読んでいておやっと思うことがあるかと思います。そこには理由があります。詳しく記載すると専門的な内容になるので、大学の産学官連携部門や研究者と相談をする際のポイントとなる心得のエッセンスを簡潔にご紹介します。

 

【さくらツール】

大学との共同研究契約書のフォーマットは大学によって異なります。また、その整備状況は大学によって違います。文部科学省が「さくらツール」として共同研究契約書の類型や考え方等を示しています。詳しく知りたい方はご参照ください。

http://www.mext.go.jp/a_menu/shinkou/sangaku/1383777.htm

※文部科学省ホームページ

 

【出願人/特許の持ち分と発明者主義】

共同研究の結果、発明が生じ、大学と企業の間で特許出願を検討することがあります。このとき、出願人/権利の持ち分に関わる考え方として、特許法では「発明者主義」が定められており、関連する条文として第29条があります。

 

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(特許の要件)

第 29 条 産業上利用することができる発明をした者は、次に掲げる発明を除き、その発明について特許を受けることができる。
一 特許出願前に日本国内又は外国において公然知られた発明
二 特許出願前に日本国内又は外国において公然実施をされた発明
三 特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となつた発明
2 特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が前項各号に掲げる発明に基いて容易に発明をすることができたときは、その発明については、同項の規定にかかわらず、特許を受けることができない。

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また、特許を受ける権利は「承継」することができます。「発明者」あるいはその承継人が「特許を受ける権利」を有するという解釈から、共同出願を行う際、発明の寄与度に応じて出願人や持ち分比率を検討することが多いです。また、研究者個人が発明した技術の権利の帰属が所属機関になるのは、職務発明に該当するためです。

 

ソフトウェアに係る著作権など他の知的財産権ではまた異なる扱いとなります。知的財産権の取り扱いを含めて、成果の帰属にかかわる条文は事前によく相談しておきましょう。

 

【秘密保持】

多くの共同研究契約には秘密保持の条文が盛り込まれます。企業の開示する情報に対する秘密保持/大学の開示する情報に対する秘密保持/共同研究の成果に対する秘密保持などがあります。該当する条文については、大学側および研究者と事前によく確認しておくと、後のトラブルのリスクが減少します。その大きな理由として、研究者は共同研究の成果について論文発表ができる可能性があり、論文発表は研究者としての業績に結び付くためです。一方、テーマによっては論文発表内容と企業側の保有技術内容とが関連することもあります。いざ論文発表を行う際に認識違いが生じないよう、事前によく協議しておきましょう。併せて、秘密保持の期間なども留意する必要があります。

 

【不実施保障】

1)なじみのない方には一見分かりづらい事項ですが、 共同研究等を実施した際に発生する共有特許(企業と大学等がいずれも特許の権利を有する)の取り扱いに関することです。

2)企業は権利を行使してビジネスができます(自己実施と言われます)。一方、大学は自身でビジネスができません。その点で特許権の利用範囲に組織形態上、違いが生じます。

3)一般的に複数企業が保有する共有特許の場合、権利を保有する企業は無償で自己実施できることが多いですが、2)の組織形態上の違いを埋めるため、企業-大学保有の共有特許を企業が自己実施する際、ロイヤリティを大学へ支払う考え方が不実施補償です。

4) 不実施補償の扱いに係る事項は共同研究契約書/受託研究契約書等のフォーマットに記載されるケースが多いですが、条文は各大学の雛形によって違い、また、具体的な取り決めも個別の企業との協議事項となります。権利化に必要な費用の負担配分も調整することがあります。

5)共有特許については自己実施以外にも、大学が第三者へライセンスして良いかなどの協議があります。一定期間企業が特許が使用しなかったときの扱いなども生じます。良く相談・確認しておきましょう。

 

【共同研究費の積算事項・使用制限について】

共同研究を行う際に共同研究費(受託研究の場合は受託研究費)の積算を行いますが、どのような費用を計上するかや使用制限は個々の大学の規定によります。例えば下記が挙げられます。

1)研究者や研究員など人件費の計上可否。

2)全体の研究費のうちで占める一般管理費の割合。

3)共同研究費等を単年度内に全て消化する必要があるか、次年度に繰り越し可能か。(複数年度プロジェクトなど)

 

【特別試験研究費税額控除制度ガイドライン】

大学等との試験研究を行った際に法人税の税額控除を受けることができます。詳しくは下記をご参照ください。

http://www.meti.go.jp/policy/tech_promotion/tax-guideline.html

※経済産業省ホームぺージ