代表取締役社長 金原 正幸

株式会社C-INK

  • 機能性材料

インクジェット印刷用導電性金属ナノインク

プリンテッドエレクトロニクスは、インク化した金属や半導体材料を印刷して製造した電子デバイスです。その中でも、必要箇所に必要量を塗布できるインクジェット印刷は、省資源化、低コスト化に有用です。 プリンテッドエレクトロニクスの市場規模は、今後も大幅に増加することが期待されています。

株式会社C-INKは、インクジェット印刷用導電性金属ナノインク 『DryCure(ドライキュア)』を製造しております。

DryCure の主原料は、C-INKの独自技術(特許 5833540 号)により合成した金または銀のナノ粒子です。
120℃、1時間加熱することにより、DryCure の印刷物に良好な導電性を得ることができます。高温焼結が不要なので、耐熱性でない素材を基板として用いることが可能です。
金属ナノ粒子は酸化されると凝集し、導電性が失われてしまいます。酸化によるインクの劣化を防ぐため、株式会社C-INKでは、ナノインクをガスバリア性の高い容器に封入して出荷しております(一部例外あり)。未開封であれば、出荷日から6カ月間、 室温(4~25℃)で安定的に保存することが可能です。

以下に DryCure の優れた特徴をご紹介いたします。
1) インクジェット印刷を用いた量産が可能
DryCure は、ピエゾ方式、サーマル方式等のインクジェットヘッドで安定的に吐出することができます。家庭用、研究用のプリンターだけでなく、産業用インクジェットプリンターでも DryCure をご使用いただけますので、電子部品の量産にも対応することができます。

2) PET、PI、ITO等、様々な基板への密着を確保
ナノインクと基板との密着性を高めるため、バインダー樹脂配合グレードの DryCure Au-J/Ag-J を開発しました。DryCure Au-J/Ag-J の印刷物は、適切な乾燥・焼結処理を実施することで、PET、PI、ITO 等の基板との密着性を確保することが可能です。

3) 従来用いられてきた銀ペーストと比較して、1/10もの低抵抗化が可能
一般的な銀ペーストは、マイクロメートルサイズの銀の微粒子、バインダーと溶剤から構成されており、銀粒子の沈降を防ぐために粘度を高くしたものが多く、スクリーン印刷やディスペンサーで使用されています。
金属ナノインクは、数~数十ナノメートルの金属ナノ粒子を液中に分散させたものです。ナノインクを塗布乾燥させると、まずナノ粒子が緻密に並んだ薄膜が得られます。これを加熱処理すると、ナノ粒子特有の融点降下によって、粒子同士が融着し、金属結合を形成します。この金属結合の形成が、銀ペーストと異なる点です。
例えば、銀ナノインク塗布膜では、最表面は酸化を受けますが、一般的な環境では塗布膜の内部まで酸化する事はありません。電気伝導は金属を通して行われるため、抵抗率の経時劣化はほとんど無視できるレベルです。最終的に得られる抵抗率は、バルク金属の数倍、弊社銀インクでは5×10-6 Ωcm以下です。この値は、従来の銀ペーストの約 1/10です。

また、C-INKの銀ナノインク印刷物はめっき下地としてご利用いただけます。例えば、DryCure Ag-JB を印刷した基板に無電解銅めっきを行い、銅パターンを形成し、プリント回路基板を製造することが可能です。ガラスエポキシ、PET、PI等の樹脂基板や、アルミナ、ジルコニア等のセラミックスを基板としてお使いいただけます。銅めっきだけでなく、ニッケルめっきの下地としても、DryCure Ag-JB をお使いいただけます。

DryCureは、印刷技術で電子デバイスを製造するプリンタブルエレクトロニクスに最適なインクです。プリンテッドエレクトロニクスにご興味をお持ちの方、是非、C-INKのナノインクをお試しください。