鳥取大学 工学部 電気情報系学科 准教授

松永 忠雄

  • ものづくり
  • ライフサイエンス

非平面微細加工技術と、医療、福祉デバイスへの応用

可能な限り小さな切り口や、元々開いている箇所から内視鏡やカテーテルなどの医療ツールを挿入し、検査や治療を行う低侵襲医療が広く行われています。近年では食道や胃、そして大腸などの粘膜層にできた微小な早期がんを発見・除去するための内視鏡的粘膜下層はく離術(Endoscopicsubmucosal dissection: ESD)など、高度なスキルが求められる低侵襲検査や治療も行われており、この様な手技は限られた狭所で精密、正確かつ複雑な動作が求められています。

 

半導体微細加工技術を発展させた MEMS (Micro Electro Mechanical Systems、微小電気機械システム)技術を低侵襲医療ツールの作製や実装技術に用いることで、新たな低侵襲医療デバイスが実現できると考えています。

 

我々はこれまでカテーテルや内視鏡を見立てた直径2 mm以下の円筒形状基板の表面や内側に、多層配線や流路などを独自に開発した非平面微細加工技術を用いて作製し、体腔内で低侵襲観察が可能な直径1mm以下の細径内視鏡や直径2mmの体腔内MRIプローブなどへ応用してきました。この非平面基板へ応用した微細加工技術を低侵襲医療デバイス開発に用いることで、細径でありながら高機能、多機能な新しい低侵襲医療デバイスを実現する研究を進めています。また、形状記憶合金マイクロアクチュエーターを回路基板へ実装した2次元触覚ディスプレイなど福祉用デバイスの開発も行っており、微細加工技術を多くの分野へ応用する研究も行っております。

 

半導体微細加工技術は医療、福祉分野だけでなく、農業、工業、ライフサイエンス分野におけるデバイスの限界(問題)を解決するブレークスルー技術の一つとして利用することが可能であり、異種技術分野間を融合しながらデバイス開発を行っております。

 

【参考資料】
松永忠雄
非平面微細加工技術と低侵襲体腔内イメージングデバイス
日本機械学会バイオエンジニアリング部門報(ISSN 1340-6590), vol. 48, 2019, pp. 6-9
https://www.jsme.or.jp/bio/pdf/news/NL_No48.pdf